熊本尚美のリオデジャネイロショーロ事情

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7弦ギターとオーケストラのための組曲

昨日はマウリシオ作曲「7弦ギターとオーケストラのための組曲」を聞きにリオ市民劇場へ行ってきました。ソリストはヤマンドゥ・コスタ。ヤマンドゥはとっても綺麗な音で、丁寧に素晴らしい演奏を繰り広げました。って、嘘みたいでしょ。普段は乱暴に弾きまくるタイプの人だけれど、彼はそう言うことも出来るんですよ。それにこの1年くらいでそうとうギターが上手くなったなあ、という感じがします。前は、この作品ももっとやんちゃに弾いてたのを覚えています。

これまで、ブラジルのオーケストラでも上手く行かなかったんだから、国外のオーケストラだときっと大変だろう、ということで、先月行われたパリ公演を成功させるために、私はオーケストラの楽譜に手を加える作業を任され、楽譜通りに演奏すればブラジルのリズムやスイングが出てくるようにと考えあぐねながら、なんとか完成させました。
それを演奏したクルト・マズア指揮フランス国立管弦楽団は超一流オーケストラ、ラヂオで流れた録音を聞くと、それはまあ素晴らしい出来でしたが、やはりブラジルのリズムや音楽、あるいは独特のニュアンスを知らないことが演奏の各所に現れます。これは仕方がないですよね。私はなるだけそれを楽譜で補うように頑張ったんだけれど、ちょっと表現が大げさになりすぎてしまった箇所もあったりしたので、昨日のコンサートに向けて再度修正をするつもりでした。ところが、忙しくてその時間が無く、結局同じ楽譜を使って昨日は演奏されたのですが、さすがブラジルのオーケストラ!(Orquestra Sinfonica Brasileira)、私が想像しながら書いたことがそのまま音になって出てきました。修正しなくてよかったんだ〜、と肩をなで下ろしました。
クラシックの演奏家でも、ブラジル人はシンプルに演奏します。ベートーベンやワーグナー等の重いドイツものでもあっさりなんです。その辺の違いを昨日はよく感じることが出来ました。
そうそう、私はこのシンプルな音楽性が好きだったんだわ、と再確認。ヤマンドゥにも褒めてもらって一安心。
でも、昨日気がついたフランスのオケとの共通する問題数カ所を手直しして最終稿を仕上げるつもり。マウリシオも、ヤマンドゥ以外のソリストにも弾けるようにと6弦ギター用のパート譜を作成中、これでどこの国のオーケストラにでも演奏できるようになるでしょう。

こうやって少しずつ、ブラジルの音楽が外に出て行くのは嬉しいことですね。外国人がブラジル音楽を演奏しやすいように楽譜を整える仕事、これは私が外国人であることが生かせる、また、クラシック音楽を長年やっていたことを大いに生かせられる仕事です。もっと早くにショーロに出会いたかったわ、なんて考えていた頃もありましたが、今はこういう仕事を任せられるようになって、そのどちらも無駄じゃなかったんだ、と納得できるようになりました。
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by chorona | 2007-04-30 02:58

Choro Ímpar(奇数ショーロ)

マウリシオの新譜「Choro Ímpar」のレコ発が、彼のお誕生日当日の昨夜、Sala Baden Powell(Copacabana)において行われました。

まず午前中は、誕生日プレゼントを届けにぞろぞろと友達が集まってマウリシオ宅へ。50歳という節目のお誕生日、なにか記念になるプレゼントをしたいと思っていたところに彼がスピーカーを欲しがっているという情報を入手。でも1人で買えるような値段ではないので、よし、と私が立ち上がり、友達カンパをつのりました。そしたら40人ほどが集まってくれて、少しお金が余るところまでこぎ着けることが出来て一安心。これもひとえにマウリシオの人徳ですね。
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そして夜は演奏会場へ。お客さんもたくさんあつまり開演前から良い感じです。
それに、フェスティバルで演奏したときは楽譜を音にするだけで精一杯だったけれど、今回は消化しつつ楽しみながら演奏できた気がします。
とにかくすべてが奇数拍子、5/4のワルツ、11/8のショッチ、4/3のショーロ、9/8のサンバetc...慣れるまでは正直言って難しかった。。。
ちょうど今リオに来ているバンドリン奏者N氏が聞きに来てくれて「マウリシオの制作意欲がすごい!」とおっしゃってました。
時々、いやしょっちゅう周りにいる人間を振り回しながら、どんどん先に向かって突き進んでいくエネルギッシュな人です。伝統を壊すことなくショーロを発展させることに余念がない。これからどんな仕事を見せてくれるのでしょう。とっても楽しみですね。そして、そんな人の側で音楽活動が出来ることは、私にとっておおきな幸せです。
最近は作曲活動に勢いづいているマウリシオ、明日はヤマンドゥ・コスタのソロで「7弦ギターとオーケストラのための組曲」がリオ市民劇場で演奏されます。ひょっとしたら、クラシックの作曲家としてもこれから活躍していくのかしら。

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by chorona | 2007-04-28 01:32

Radio Nacional

明日、27日金曜日に我々の学校がやっている「Escola Portatil no Ar」というショーロの生演奏番組に出演します。今までも何度か出演しましたが、今回は私の特集。5 no ChoroとPaulo Aragãoを招いて、私のアルバムや5 no Choroのアルバムの曲、Pixinguinhaの名曲等を演奏する予定です。インターネットでも聞けるので時間のある方はぜひお聞き下さい。
日本時間では、28日土曜日朝5時〜6時半、再放送が30日月曜日の朝8時〜9時半です。
http://www1.radiobras.gov.br/radio_nacional_rj.htm
このページにあるao vivoというところをクリックすると聞けるはずです。

またRadio Nacionalはブラジル全土で聞けるはずなので、ブラジル国内にいらっしゃる方もぜひお聞き下さいね。
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by chorona | 2007-04-26 20:45

ロンドリーナ

4月23日ショーロの日、パラナ州ロンドリーナという街でコンサートをやってきました。

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一週間毎日ショーロのコンサートをし続けるというイベント、実は私の去年の教え子のプロデュース。リオにたった2年半しか住んでないけれど、もう教え子からの招待を受けるようになってしまったのですね。時間が経つのは早いものです。教えている頃は知らなかったのですが、なかなかパワーのある子で、1人で沢山のことを切り盛りしていています。そんなイベントに、しかもショーロの日に私のコンサートを企画してくれたこと、とっても幸せに思っています。その彼女に勇気をもらって、初めてラヂオでしゃべり、ポルトガル語でMCも頑張ってやってみました。そうそう、滞在したBlue Tree Hotelはオーナーが青木さんという日本人らしいのですが、ホテルもブラジルでは珍しく細かな気遣いの行き届いたホテルでした。

a0094560_1220227.jpg地元新聞にはなんと文化欄一面に大きな私の写真が。その下には、同じパラナ州クリチーバ市にいたマウリシオのコンサートの記事。別の街で別のことやってるのに、記事中には私はマウリシオとロンドリーナで、マウリシオは私とクリチーバでコンサートを開く、ということになってます。そんなの読めばすぐにまちがいだってわかるでしょ、ってな感じですが、こんな間違い情報は日常茶飯事。新聞内にも沢山見受けられます。日本だったら御法度でしょうね。
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で、リオに戻ってみたら、私、なんとリオ市議会からショーロの日を記念して表彰されたそうです。表彰式には出れなかったのですが、ショーロ学校が代表して受け取ってくれたそうで、さっき私の手元に届きました。でも、なにも表彰されるような大したことやってないんだけどなぁ。。。a0094560_12295736.jpg
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by chorona | 2007-04-26 12:31

リハ〜マラカナン

 a0094560_2111075.jpg昨日の午後は我が家で26日に行われるChoro Imparのリハ。Cristóvão Bastosがいるのでピアノのある場所、ということで我が家でやることになりました。ほとんどのリハはマウリシオの家でやることが多いし、あっちの方が広々としていていいんだけれど、残念ながらピアノがないのです。(写真は私のとってもこぶりなピアノ。Cristóvãoが座ったらほとんど覆い隠されてしまった)

その後夜はマラカナンスタジアムへ。最近月に一度は行ってるなあ。もちろんマウリシオとその子供達、セザー(マウリシオの弟)とその子供達と一緒。昨日の試合はフラメンゴの勝利とはいえ、かっこよく決まるシーンが全然なくて面白くなかったなあ。。。

この終末は、4月23日「ショーロの日」を記念したフェスティバルがあちらこちらで行われます。私はロンドリーナというブラジル南部にある街での「ショーロ週間」というイベント内で、23日に私のコンサートをやります。リオでは21日(土)に授業の後、Sala Baden Powellでショーロの日記念コンサートにでます。マウリシオは今朝早く、サンパウロとクリチーバでのフェス参加に行きました。


a0094560_2232373.jpgリオのCirco Voadorでは20,21日と二日続けて
「Na Cadência do Choro」というイベントもあります。両日とも夜10時から。多彩な出演者でおもしろそうなので、下に記載しておきましょう。私は、21の土曜日、午前中授業をして、午後コンサートに出て、その後ミュージカル。夜、疲れ果ててなかったら見に行こう。

(5 no Choro - Na Cadência do Choro em 2005)

4/20
Flautistas do Rio,Galo Preto,Gilson Perenzzetta e Mauro Senise,Hamilton de Holanda Quinteto
4/21
Chapéu de Palha,Água de Moringa,Henrique Cazes e Joel Nascimento,Nó em Pingo d`Água,Yamandu Costa
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by chorona | 2007-04-20 02:11

80歳のお誕生日

 昨日4月15日はマウリシオのお母さんの80歳のお誕生日でした。
 セザー(マウリシオの弟)の住むニテロイでシュハスコパーティ。こちらブラジルでは、アパートビルでも、一軒家が並ぶコンドミニオでも、パーティ用スペースがあるのが一般的で、昨日もシュハスケイラのある半野外会場に50人ほど集まり、飲んだり食べたり演奏したりしながら一日過ごしました。横には小さなサッカーコートもあります。そういえば男女混合で2試合ほど、昨日も白熱しておりました。
 そして来週26日はマウリシオの50歳のお誕生日。今月はおめでたい月です。ちなみに、その日はマウリシオの新譜発表のコンサートがあります。私も出ますが、とっても難しいので今日から練習に入りました。普段は基礎練習はやるにしても、ショーロの場合は楽曲を取り上げて練習することはあんまりないんだけれど、こればっかりは。。。フェスティバルでも同じコンサートをやりましたが、殆ど初見に近い状態で何とか演奏し終えたものの、ステージの上で楽しむところまで行かなかったので、今回はちゃんと手の内に入れて、ステージで十分遊んで楽しもうと思ってます。このコンサートのプレスリリース内に「Samurai de Choro」と私のことが紹介されているそうです。なんじゃそりゃ?
 
 
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by chorona | 2007-04-17 10:33

餃子パーティ

 ショーロフェス参加のために日本からリオに来ていた人たちが帰路につく時期になり、彼らのお別れパーティと、とっても遅れた私の誕生日パーティ(3/23)を兼ねて、昨夜は我が家で餃子パーティを開きました。
 みんなで200個あまりの餃子を制作、約15名の参加でほとんど食べ尽くしました。氷で冷やした80缶のビールもきれいになくなりました!
 ブラジル人(マウリシオ&セザー・カヒーリョ)が刻んだニラが予想外に細かく切れていて驚き。逆にある日本人女性が刻んだ白菜が大きくて・・・・。可笑しかった。
美しく出来た餃子を写真に撮ろうと思ってたのですが、忙しくてその暇なし。お見せできないのが残念!

 この日のために竹製の蒸し器と中華鍋を張り切って購入。(前から欲しかったんだ)
でもリオで中国人が売る中華鍋はほんとの中華鍋で、錆びる錆びる。扱いがとっても難しい。「今度日本に帰ったら日本製の中華鍋を持ってこよう」なんて即座に思ってしまいました。私が前に日本で使ってたやつは、もっと軽くて錆びもせず、使い勝手が相当良かったなあ。
 久しぶりに朝の3時まで飲んで、今日はおまけで一日中ひどい二日酔い。ホントに久しぶりだ〜。なんとか仕事へ行って帰って来たけれど、まだ家の中は昨日の残骸のまま。あ〜あ。
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by chorona | 2007-04-13 11:37

参考演奏映像アップ!

 本日発売予定の管楽器専門雑誌「楽器族。ブラストライブ」第3号掲載楽譜の参考演奏映像を私のホームページ(http://www.choro-flauta.com)にアップしました。今回は、アナクレート・ヂ・メデイロス没後100年にちなんで、彼の一番有名な曲「Os Boêmios」を選びました。この曲は何故か日本のホーダではあまり見かけませんが、いつでもどこでも楽譜なしで出来るはず、というレパートリーなので、是非練習してみてくださいね。
 ちなみにこの映像は、今年2月に行われたショーロ・フェスティバルで編成されたブラスバンドの成果発表会での演奏です。
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by chorona | 2007-04-11 05:48

Semana Santa

今日からSemana Santa(聖週間)で、ブラジルは日曜日まで連休です。キリストが十字架にかけられ、そして復活するというのを祝う週。テレビではこの話を題材にした映画がたくさん流れます。土曜日のショーロ学校もお休みなんだけど、ミュージカル公演は休まないので、私は残念ながら連休ではありません。

こちらでは、まだまだ日中は暑い日が続いてますが、空や風が秋の気配を運んでくるようになりました。今日も空気がとっても澄んでいて、清々しい青空が広がっています。今日は、我が家から見えるキリスト像を。澄んだ空気の感じが伝わるかなあ〜。。。
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by chorona | 2007-04-06 23:48

Caldereta Cariocaーカウデレータ・カリオカ

私の所属するグループの一つをご紹介しましょう。
[Caldereta Carioca]、Calderetaというのは、Chopp(生ビール)を飲む一番大きいグラスのことです。でも、この言葉はリオにしかないようで、他の地域の人は知らないみたいです。
何故こんな名前になったかというと、グループ結成の主旨が「酒飲みによるショーログループを結成して、旅をしながらギャラは全部飲んでしまおう」ということから。(なんちゅう主旨や・・・)
私は光栄にも(!?)そのフルートのポジションに抜擢されたわけですが、2005年に結成されたこのグループのメンバーは

フルート:Naomi Kumamoto  クラリネット:Pedro Paes 
バス・クラリネット:Rui Alvim  バンドリン:Marcilio Lopes 
カヴァキーニョ:Jayme Vigholi  ギター:Paulo Aragão
ギター:Mauricio Carrilho    パーカッション:Oscar Bolão

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(↑ベルリン公演楽屋にて)


時は同じく2005年、ダリウス・ミヨーのバレエ作品「屋根の上の牛」をショーロ編成に書き直して演奏するというプロジェクトが立ち上がり、楽器の編成が同じだったので、Caldereta Carioca=屋根の上の牛という図式が自然に出来上がりました。
この楽曲はフランス近代のクラシック音楽、演奏するのがとっても難しいのです。しかもオーケストラ曲を8人で指揮者無しで演奏するのは至難の業です。飲み歩きながら旅して持って回れるような作品ではありません。Calderetaのレパートリーはお気楽に楽しく騒いで演奏できるGafieira(ダンス音楽)になる予定だったのですから。

最近の活動としては、去年はリオで3公演と9月にドイツベルリンで、今年は3月初頭にサンパウロで4日間のライブ録音公演を行いました。
↓の写真は、サンパウロでの公演の模様です。
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 しかし、Calderetaとしては旅の目的の半分は飲むことでないといけない。作品が難しいにもかかわらず、みんなよく飲むよく飲む!お陰でこの一年で私はとっても太ってしまいました。(いや、そのせいだけではないんだけれど)

 ココだけの話、正直言ってこのでっかいブラジル人達と一緒に生活するのは疲れる〜〜。もちろん、旅も演奏もお酒も最高に楽しいんだけれど、体力差をひしひしと感じさせられます。ちょっと疲れてお酒を断ると、「あ、そう。じゃ、次回から別のフルート奏者を呼ぶよ。このポジションを欲しがってるやつは山ほどいるんだから」などと、みんなにからかわれています。2007年は体力作りに力を入れなきゃ。
 今のところ、Calderetaの公演は決まってませんが、今年の下半期にブラジル国内ツアーをやりたいなあ、という案が出ています。ライブ録音CDも発表予定です。
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by chorona | 2007-04-04 00:20
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フルーティスト熊本尚美がリオからお届けする最新ショーロ情報


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